急げと言われた気がして急いだカタツムリたち
急げと言われた気がして急いだカタツムリたちはの、本当は急ぎたくなんかのうて、ゆっくりしときたかったんじゃ。だけんど、仲間のカタツムリたちが急いでおるし、自分も急がんと大変なことになるやもしれん。カタツムリたちは、みんながみんな、そう思っとったんじゃ。追い立てられるように地を這っておるうちに、競争意識が芽生えての、そりゃあ危機感を抱えて必死じゃった。

「カタツムリだってたまには苦しめばいいわよ!」

んまあ、色んな困難があったんじゃが、取り分け炎天下の鉄板は大層熱くての、泣きながら這っとるカタツムリたちもおったくらいじゃ。他の虫たちはカタツムリたちの大移動を、そりゃあそりゃあ不思議に思って見とったんじゃ。そんなに急いでどこ行くんじゃとな。するとの、1匹のアリがこう言ったんじゃ。のうのう、カタツムリさんたちよ。らしくないアリよ。そんなにオリオリオリお。ヤリヤリヤリや。最後の方は、何を言っておるのかさっぱりわからんかったカタツムリたちじゃったがの、しばらくして、ピタッと足を止めるカタツムリたちもおってな、

「死んだの?」

そうじゃねえ。ただ、アリの言ったことがずっと気になっとったんじゃろ。それがヒントんなって、こんならもん自分たちらしくねえと気が付いたんじゃ。

「なんだ。死んだのかと思ったわ。」

そろそろ時間じゃ。お話はこのくらいにして、メシにしようかの。ところでお嬢ちゃんは、エスカルゴは好きかね?

「何なのそれ?」

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