2015年10月12日 ラクガキ
鏡
人は鏡って昔から割とよく聞く言葉だったけど、何となくそうなんだあって納得してただけで、正直意味はよく分からなかった。人のふり見て我がふり直せとか、自分が丁寧な言葉遣いをしてたら相手もそうしてくれるとか、自分がぶっきらぼうなら相手もぶっきらぼうな態度をとるとか、そんなふうなことなのかなあと思ってたけど、今は、そういう意味じゃないんだろうなって思う。人は鏡っていうのは、多分、自分が自分のことを本当はどう思ってるのか。自分はどんな人なのか。そういうことが、周りの人を見たり、自分に対する周りの人の接し方で分かるよっていうことなんだと思う。

おもしろいやつ。すごいやつ。みんなに好かれてる人気者。子供の頃、俺は自分をそんなふうに思ってたけど、ある時、そんなことを思ってるのは恥ずかしいことだって気がして、そんな自分を嫌ってみたら、周りのみんなもそのように接してくれて、俺はおもしろいやつでも、すごいやつでも、人気者でもなくなった。

「自分のこと人気者だと思ってるの?」
「バカじゃないの?」
「調子に乗るなよ?」
(自分は素晴らしいと思うことを恥ずかしくて拒んでいたら聞こえてきそうな言葉)

大したことないやつ。変なやつ。あいつはみんなから嫌われてる。俺は人をそういう目で見ちゃうところがあったから、そんな自分を許せなくて、いつの間にか、俺は人を見下したりなんかしない。謙虚で公平でいい人。そう信じ込んでた。そしたら今度は自分がそういう目で見られてる気がして、周りが許せなかった自分そっくりの嫌なやつらで溢れ返った。

「人のことバカにしたり見下したりして楽しいの?」
「お前は自分さえよければ人のことなんてどうでもいいんだな。」
「かわいそうなやつだな。」
(自分は酷いやつだと認めるのが嫌で拒んでいたら聞こえてきそうな言葉)

もし、こんなようなことを言われたら、ムカついたり、どうしようってなるかもしれないけど、俺そういうとこあるんですよ、とか言っちゃえば、少なくとも、その相手を恨んだり、そのことで自分を責めたりすることはなくなるのかもしれないな。

「なかなかやるね。」
「おもしろいですね。」
「すごいじゃん。」

こんなふうに言ってもらえた時は、あまのじゃくになったり、自己評価が低いせいになんてしないで、まあね、とか言っちゃえばいいんだし、半信半疑になるのは、自分がお世辞を言ったりするからしょうがないけど、人は俺ほど腹黒くないっていう話で。

じゃあ、今の俺は自分をどんなやつだと思ってるんだろう。どんな人間なんだろう。流れ的にそんなふうに考えてみるけど、答えは周りの人が教えてくれる。苦手な人や嫌いな人は認めたくない自分自身なんだから、例えば、人のことをバカ呼ばわりする人が苦手な俺は、自分にもそういう一面がある訳で、だけど、認めたくないから無意識的にそんな一面はないことにしようとしてる。バカだねえ。その一言を自分も人に言えた時、バカ呼ばわりする人が苦手じゃなくなるだろうし、多分、バカって言う行為そのものが、自分の中で悪いことじゃなくなるのかもしれないな。そうやって、自分が勝手に最低だって決め付けてる自分の一面と向き合いながら、本当はすごいと思ってる自分を許していくことが、これもよく聞く、自分探しってやつなのかなあと、ちょっと思った。

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